2008年06月14日

カウンセリングケア 「  感情レベルの許し とは?  」

◇カウンセリング ケア◇


このコーナーでは、カウンセリングを受けて頂いている方々へ、

カウンセリングで使っている言葉の説明や、その取り組みのプロセス。

また、僕が日々気付いた事などを中心にお伝えしていきたいと思っております。

日々の生活でのヒントや、皆様の心のケアに役立てて頂ければ幸いです。



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「 感情レベルの許し とは? 」




カウンセリングを進めていく中で、

今持っている問題(彼との関係、夫婦関係、人間関係、仕事、自己実現etc.)

の解決や目的を達成するために”誰かを許しましょう”という課題に

取り組んで行く事があります。



これは人道的に”許すこと”が大切ですよ。という事を言っているわけではありません。



心の中に「誰か」に対する怒りや「何か」に対する恨みなどを仕舞い込んでいると、

必ずその対象に心理的な距離を作ってしまうからです。



ここで言う「誰か」とは、パートナーであったり昔の恋人であったりします。

そして「何か」とは、仕事であったり、お金であったり、成功だったりします。




心の中に怒りや悲しみなどの感情が隠れていると・・・



いくら表面で相手を受け入れようとしても、

心の中には必ず相手に対して心理的な距離を残してしまいます。



いくらお金持ちになろうと頑張っていたとしても、

心のどこかでお金に対する恨みを持っていると、

心の中はお金に対して正反対の力が葛藤しているわけでうまく手に出来ません。



例えば、浮気をして私を裏切った彼に対して、

いくら近づこうと努力したり、感謝の気持ちを伝えて見たとしても、

心の中の傷が癒えていなかったら、彼の反応しだいで、

たちまち怒りや悲しみで心は満たされてしまうでしょう。

心の中はまだまだ相手を受け入れられる状態ではないのです。




また、現在の関係を改善するために、

過去経験した親子の関係などを癒す取り組みをする場合もあります。



これも不思議な事ですが、僕達が過去に持った誰かとの感情的な距離が、

今のパートナーや人間関係、仕事やお金と言ったものに対して、

同じ様に距離感を持ってしまう事が多いからです。



子供の頃に一番愛されたかった愛の対象は両親でした。

例えば、この関係で心の中に見捨てられる様な感覚を秘めていると、

現在の愛の対象であるパートナーにこの感情を抱いてしまいます。



父親(権威)に対して葛藤を持っていると、

現在の関係で、会社や上司または社会に対しても同じ距離を持ってしまいます。



この様な過去の感情(痛み)は大人になる過程で、

抑圧して成長して来ましたので、普段は感じ無い様にしています。

ただ心の深いところに存在していても、感情は残っているのです。



「許し」とは、自分の心の中に隠された感情を癒し、

現在の相手や幸せとの距離を無くすために取り組むのです。





では、僕達はそれほどまでに誰かを今でも許せていないのでしょうか?

そんなことはありませんよね。

どんな傷ついた関係でも、僕達は必死に相手を理解しようと努力して来ました。



浮気をしてしまった彼に対して、

怒りや悔しさを押し殺して、彼の気持ちを理解しようと頑張ったり。



小さい頃から寂しい思いをさせられた両親に対して、

その寂しさをがまんしても、両親の境遇を理解しようとして来ました。



皆、頭では必死になって相手を理解し既に”許している”のです。



ただ、自分自身の寂しさや悲しさと言った感情に蓋をして”許した”のです。

蓋をして抑圧された様々な感情は、見えなくしているけれども無くなってはないのです。



頭では許せているのですが、

心の中ではまだ感情的な葛藤が残っているという状態なのです。




僕はカウンセリングで、心や感情が「許す」事について、

理解してもらうためにこんな例え話をよくします。



 ここに幼い姉妹がいるとしますね。

 ある日の事、お姉ちゃんがすごく大切にしていたお人形を、

 妹が勝手に持ち出して、汚してしまったとしましょう。



 そのお人形を見たお姉ちゃんは、

 悲しみのあまり半狂乱になって妹に怒りをぶつけます。

 妹をぶってしまうかも知れません。本当に大切にしていたお人形ですから。



 どうしようもない怒りを妹にぶつけて、妹も大泣きしています。

 お姉ちゃんもそんな事ではおさまらず、大泣きしながら妹に怒りをぶつけ続けます。



 誰しも小さい頃、こんな兄弟喧嘩をして来ましたよね。



そんな時に!



ケース(1)



 その喧嘩を見たお母さんは、すぐさま二人に駆け寄って来て、
 
 いきなりお姉ちゃんを平手でぶって、叱ったとしたらどうでしょう?



 「あなたお姉ちゃんなのに、小さな妹になんて事するの(怒)」

 「あなたの方が大きいんだから「許して」あげなさい!」



 そうしたらお姉ちゃんはすっとわれに返って、
 
 「そうね、お姉ちゃんだから許してあげるわ」なんて絶対にならないですよね。
 


 普通、もっと怒ってひどく泣きわめいてしまうでしょう。



 ・・・でもこんな事も小さい頃には良くありました(笑)




ケース(2)


 ではもし、お母さんが駆け寄って来て、
 
 まず、お姉ちゃんにちゃんと理由を聞いてくれてたとしたら、



 「どうしたの!なんでそんなに怒っているの?どうしたのか言ってごらんなさい」



 「ああ・・・あなたが一番大切にしたお人形がこんなに、 ごめんね」
 
 「こんなに汚れちゃって、かわいそうに・・・ 悲しかったよね」

 「ほんとにごめんね」

 「明日ママがちゃんと綺麗にしてあげるからね、本当にごめんね」



 そして、充分にお姉ちゃんの気持ちを聴いてあげてから、

 小さい妹がいつもお姉ちゃんしか持っていないお人形を見ていた事。

 何も解らない妹も、触って見たくて仕方なかった事。

 そんな事を伝えて見て、

 「許してあげられないかなあ?」ってお母さんがお願いしたら、



 お姉ちゃんは、ひくひく泣きながらも、許そうとしてくれそうな気がしませんか??




カウンセリング的な見方で心の中を説明すると、

ケース(1)のお姉ちゃんの心の中は、悲しみや悔しさの感情でいっぱいで、

妹の気持ちや感情など感じられる余裕などないのです。



でもケース(2)では、お母さんにお姉ちゃんの気持ちをじっくり聴いてもらう事で、

心の中の感情が少し癒され、妹がの感情を受け入れる余裕が出て来ます。



僕たちが他人のことを理解すると言うことは、頭で解ることではなく、

相手が持っているであろう感情を自分も感じることが出来るという事です。



自分が持っていないものを触って見たいという気持ち。

その可愛いお人形で遊んでみたいという気持ち。



そんな気持ちや感情をお姉ちゃんも心で経験することが出来た時、

はじめて妹の気持ちや感情も理解し始めるのです。



ちなみにお母さんがしてくれた事が、カウンセリングで言う「受容」です。



そしてお姉ちゃんは、妹のことを許すという選択が出来る様な状態になるのです。




僕達が持っている心や感情はあの頃と何も変わっていません。同じ心です。



そして大人になった僕達は、自分ひとりで人を許そうする時、

ケース(1)のような取り組みしかしていません。



お姉ちゃんだから・・・

夫だから・・・ 妻だから・・・

彼を好きだから・・・

僕は部下だから・・・

仕方ないから・・・

こんな自分だから・・・    って、



自分の気持ちを押し殺して、

自分に平手打ちをして「許さなきゃ」ってしています。

こんなことで、心が何かを許せるわけがありません。





「感情レベルの許し」とは、



まず自分が本当に感じて来たものをもう一度受け入れて、

癒し解放していくことが出来た後、

相手の感情を、自分の心で”経験”出来る様になる事なのです。



その時はじめてあなたの”心”は、

誰かの事を許す選択肢を持つ事が出来る様になるのです。




あなたが今、大切な人との距離を癒すために。

あなたが今、あなたが欲しいものを手にするために。



もう一度、あなたの心に向き合って見て下さい。






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Posted by naoto_tanimura at 01:04